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「……は、い……」
押しに弱い私は、小さく頷かざるを得なかった。
途端に、ぱあっと明るい笑顔を向けたユリナちゃん。
「良かったぁ! あっ、ちなみに明後日ですから! よろしくお願いしますねっ!」
そう言い残して、「お先でーすっ」と音符でも飛ばしてんじゃないかってくらいの上機嫌で、トイレを出て行った。
嵐のような出来事に、私は溜息をひとつ落として、もう一度蛇口を捻った。
「……神谷さんに、連絡、しなきゃ……」
冷たい水に触れながら、少しでも憂鬱な気分を吹き飛ばそうと試みた。
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