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「もし、うっかり私たちが+Dの社員だって知られたとする。そしたらね、いくらお酒の席だって言ったって、私たちが+Dって会社をすべて背負うことになっちゃうの」
ユリナちゃんの顔には、“?”が浮かんでる。
構わず、私は続けた。
「私たちのことは知らなくても、+Dって会社のことは知ってる人がいるかもしれない。私たちの印象がそのまま、+Dの印象になるかもしれない。つまりね、今日、この席がきっかけで、鳳凰堂での+Dのイメージが、イコール私たちの振る舞いに直結してしまうかもしれないってこと」
そこで一旦、息を吐いて。
ユリナちゃんの目をまっすぐ見ながら、念を押した。
「……そういうの全部、責任、とれる?」
すでに強ばっていたユリナちゃんの顔が、みるみるうちに歪んでいく。
尖っていた口は、ふるふると震えている。
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