【第10話】約束と秘密の間

29/40

2974人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
  「それでは、楽しく過ごしましょう! ってことで! 乾杯!」 「かんぱーい!」 幹事の男性が元気よくとった音頭で、会はスタートした。 今日のメンバーはお互い“当たり”だったらしく、全員、表情は明るい。 一番左端に座った私の右隣にいる、ユリナちゃんがこそっと囁く。 「澪先輩澪先輩、あの人、超カッコ良くないですかぁ!?」 「あー…そう、だね。ユリナちゃん好きそう」 「そうなんですぅ! カワイイ系ど真ん中って感じっ!」 一気にテンションが上がったユリナちゃんが、女子高生みたいにはしゃいでる。 ユリナちゃんが気に入ったのは、ユリナちゃんの右斜め前に座っている男性。 さらりとした黒髪と、くりっとした瞳が印象的な人だった。 目をキラキラさせているユリナちゃんに、私は苦笑しながら「頑張りなよ」と声をかけた。 .
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2974人が本棚に入れています
本棚に追加