【第10話】約束と秘密の間

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  それより気になるのは、男女比だ。 こちらは五人なのに、男性は四人しかいない。 つまり、私の前の席が空席になっているのだ。 ある意味チャンス、と思い、ユリナちゃんに小声で聞いてみる。 「ねえ、私、帰ってもいいかな?」 「はぁっ!? 何言ってるんですか澪先輩!?」 「や、だって女一人溢れるでしょ。だったら私がいるとお邪魔かなー……なんて」 「ダメですそんなのっ! それに、男も五人だって言ってたし!」 ユリナちゃん、声が大きい! 注意しようと思った瞬間、テーブルの向こう側から声が飛んで来た。 「あっ、ごめんごめん、一人遅れて来るんだ。仕事、おしてるらしくてさ」 どうやら、興奮したユリナちゃんの声が聞こえてしまったらしい。 答えてくれたのは幹事の男性だった。 私は会釈をしながら慌ててフォローした。 「そうなんですか、すみません。失礼なことを」 「いやいや、俺が先に言えば良かったんだよねー、ごめんね!」 そう明るく言って、ポーズをとった。 失礼なことをしてしまったけれど、気分を悪くしたわけではないようだ。 ホッとながらも、ばつが悪くて私は苦笑いを浮かべた。 .
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