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「澪ちゃん、飲み物頼むけど、何かいる?」
「えっ」
不意に呼びかけてきたのは松原さんだった。
突然の名前呼びに目を丸くしていると、彼ははにかむように笑った。
「あ、ごめん、びっくりした? なーんか、名字にさん付けって、堅くてキライなんだよねー」
「いえ、あの、名前で呼ばれるなんて、あんまりないので……」
それに、『ちゃん』付けされるような年でも、もうない気がして。
……という本音は、胸にしまった。
「そうなんだ? イヤだったらやめるけど?」
「あー……、っと。できれば、遠慮したいなーなんて……」
おずおずと伝えると、松原さんは何故か爆笑。
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