【第10話】約束と秘密の間

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  「ちょっ……澪先輩っ、神谷さんですよぉ!?」 「う、うん……」 「ど、どうしましょうっ!?」 小声でも、ユリナちゃんの焦りは十分伝わってくる。 どうしましょう、って、どうしたらいいのか私も知りたい。 まさか、まさか、こんな場で出くわすなんて。 一体どれくらいの確率だろう。 頭が痛くなってきた。 薄暗い照明のおかげか、いまはまだ、神谷さんは私とユリナちゃんに気づいてはいない。 けれどそれも時間の問題だろう。 よりによって、空席……つまり、彼の席は私の目の前だ。 どうしよう、どうしよう、どうしたらいい? 考えがまとまらないまま、神谷さんが私の向かい側の椅子を引いた。 .
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