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「ちょっ……澪先輩っ、神谷さんですよぉ!?」
「う、うん……」
「ど、どうしましょうっ!?」
小声でも、ユリナちゃんの焦りは十分伝わってくる。
どうしましょう、って、どうしたらいいのか私も知りたい。
まさか、まさか、こんな場で出くわすなんて。
一体どれくらいの確率だろう。
頭が痛くなってきた。
薄暗い照明のおかげか、いまはまだ、神谷さんは私とユリナちゃんに気づいてはいない。
けれどそれも時間の問題だろう。
よりによって、空席……つまり、彼の席は私の目の前だ。
どうしよう、どうしよう、どうしたらいい?
考えがまとまらないまま、神谷さんが私の向かい側の椅子を引いた。
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