【第10話】約束と秘密の間

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  「遅れてすみませ……」 そこでようやく目が合って、瞬間、凍り付いた。 硬直、その言葉がこんなに似合う場面はないだろう。 神谷さんからも、驚きと動揺が伝わってくる。 何を言えばいいかわからないまま、私はとにかく口を開こうとした。 が、声が出る前に、松原さんに遮られる。 「神谷お疲れ! ビールでいい?」 「あ、ああ、頼むよ」 ハッとしたように松原さんに返事を返した神谷さん。 私は生きた心地がしないまま、その成り行きを見守った。 「今日カワイイ子ばっかで嬉しいだろー!?」 「え、ああ……そうだな」 「ほら澪ちゃん、こいつ神谷って言って、俺の同期なんだ!」 にっこり笑った松原さんに「は、はあ……」と気のない返事を返す。 と、反対に神谷さんは眉をひそめた。 .
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