【第10話】約束と秘密の間

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  どうして? ねえ、長瀬。 どうしてそんな顔するの? そんなの、まるで……。 心に芽生えた、小さな違和感。 私はそれを、カラダの熱から生まれた幻だと思い込むことにした。 だって、そんなのありえない。 与えられる刺激と、迫り来る感覚。 溺れないように必死に理性をたぐり寄せようとしていたのに。 いまだけは、もう流されてもいいような気がした。 だって。 ……長瀬がまるで、神谷さんに、他の男に。 嫉妬、してるみたいだ、なんて。 そんなこと、ありえない。 ありえないのに、胸が痛い。 .
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