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『……けど』
そう呟くと、私の体を抱き上げ、向かい合って座るような形に動かす。
長瀬に預けた体を、そっと撫でられ、さらにぎゅっと抱きしめられた。
目と目が合って、やさしいキスをひとつ。
体ごと心まで抱きしめられているような錯覚を起こす。
私の奥が、きゅうっと鳴いた、気がする。
だって、まるでそこには、恋愛感情でもあるかのよう、なんて。
絶対にないのに、そんな思いさえ浮かぶくらい、長瀬の瞳は甘い。
困惑と期待をごちゃまぜにしたみたいな、変な感覚が私を襲っていた。
そんな私の思いを知ってか知らずか、長瀬は唇が触れそうなくらいの至近距離で、こう言った。
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