【第11話】紳士とお酒と攻撃と

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  硬直してしまっていたら、不意に肩が軽くなった。 私に寄りかかっていた神谷さんが顔を上げたからだ。 焦点が合わないという程じゃないけれど、神谷さんの瞳はゆらゆらと揺れている。 その視線が私の顔を捉えた、そう思った時。 「……澪、さん?」 「……は、い……」 思わず返事を返すと、神谷さんはにっこり笑った。 そして次の瞬間、糸が切れたみたいにその頭がぐらり、揺れて落ちた。 .
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