【第11話】紳士とお酒と攻撃と

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  「本当に知らなかったんだね。相手が僕らだってこと」 「そりゃそうですよ。知ってたら行きませんし、ユリナちゃんのことも止めてます」 「ははは、さすが“真面目”な羽村さんだ」 昨日松原さんが言った台詞を繰り返す。 表情からすると、わざとだろう。 私は苦い顔をしてビールを飲み込み、呟いた。 「……それ、できれば忘れてください……」 「ははは! いやいや、かなり新鮮だったよ? “初対面”の羽村さんと話すのは」 「すみません……もう、何て言ったらいいか……」 面倒な、嘘の片棒を担がせてしまって。 そう思って縮こまる私に、神谷さんは上機嫌で笑った。 .
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