第4話

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なのに、弓道場に向かうのが何となく後ろめたい気分になるのは何故なのだろう。 弓道場の手前は旧体育館があり、そこでは剣道部が大きな掛け声と共に竹刀を振るっている。そこを通り越して先に進む。 旧体育館の奥にある弓道場はフェンス越しに外の道から弓を射る姿が遠目に眺める事が出来るようで、そこには隣の女子高の制服を着た女が何人かたむろしていた。 兵藤目当てで来ている奴もいる筈だ。チラリとそちらに視線を向けると、嬉しそうな顔をした女達が興奮して弓道場を指差している。 その視線の先には最近何度か近くで眺めた、見知った佇まいの男が弓を引く姿がある。
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