第4話

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馬鹿なツレの軽口を真に受けて想像してしまうなんて、間抜け過ぎる。と言うか、ちょっとヤバいかもしれない。絶対に欲求不満だ。あの女子大生とは気分が乗らずに放置したけれど、一回ぐらいヤッておいても良かったかもしれない。 こうなったら、テスト明けの時間を道場で過ごして体力消耗して家で寂しく自慰に耽るしかない。 俺の動揺が分かる訳もなく無邪気なツレはお互いの成績表を見せ合って笑い転げている。何とも平和で気の抜ける光景だ。あ~あ、マジでどうするかなとぼんやりと考えている間にチャイムが鳴る。 恐らく兵藤も成績表は貰った筈だ。面倒臭いからアイツから連絡があるまで知らんふりをしておけば良いか。そう結論付けて便所にでも行くかと立ち上がったその時に、入り口の側に立つ兵藤の姿を見付けて俺は思わずため息を吐いた。 「…まさかとは思うが、わざわざ現国の順位を聞きに来た訳じゃないよな?」
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