第4話

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面倒臭くなって事実だけ口にして、チラリと隣を盗み見る。恐らく兵藤は不機嫌になってまた妙な事を言い出したりするに違いない。そう思っていた俺は兵藤の顔を見て肩透かしを食らった。 「やれば出来るんだな。」 うっすらと笑いを浮かべてふうんと頷く兵藤は落ち着いている。 「まさか、お前の勝ちなのか?」 あまりに動じない兵藤の態度に念の為、聞いてみる。でも、兵藤は鼻で笑うと首を横に振った。 「俺が1位になっても勝負は勝てない。」 という事はやはり俺の勝ちって事だ。その割に兵藤は淡々と答えるばかりで逆に俺の方が落ち着かない。
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