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「もう鍋の季節か。早えーな」
「……」
私は今、一人暮らしサイズの電気鍋を、長瀬と囲んでいる。
もちろんここは、私の家だ。
休日の、日暮れ後。
普段より片付いた部屋で、お気に入りのお酒と美味しい肴を準備して。
ひとり、まったり過ごそうと思っていたのに。
「あ、羽村ー俺もビール」
「……はいはい」
現実は、これだ。
何故か私の素敵な休日には、オレサマがずかずかと侵入していらしている。
何だかなぁ。
長瀬相手だと、自分のペースでいられない。
それどころか、何をするにも、長瀬に上手く操られているような気さえする。
……気のせいだと、いいんだけど。
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