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「何をぐだぐだと考えてんだ、お前は。面倒くせーな」
「っ、それだけはアンタに言われたくない……!」
「あ? 俺の何が面倒だっつーんだよ」
「そういうところよ!」
つい、噛み付いた言い方をしてしまった私に、長瀬が容赦なく反論する。
しまった、と思ったときには遅かった。
気づけば私は、長瀬に組敷かれていた。
「……ごめんなさい」
「もう遅い」
反射的に謝った私に、長瀬はにやり、唇を歪めた。
けれど私は諦めず、じたばたと叫びをあげる。
「長瀬くーん! 本当に申し訳ないと思ってるからー!」
「何だってー? 聞こえねーなぁ」
「ごめんなさいってばー!」
わーん! と子どもみたいにダダをこねる私に、長瀬ふき出した。
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