2599人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
「まだ日付も変わってねーし、飲み直しでもするか」
「んー……のど、乾いた……」
「だろーな。最後、声掠れてたし」
頭を撫でられるのがあまりに心地良くて、また落ち始めていた頭が一瞬で覚醒する。
「……っ、そういう発言、やめてくれないかなぁ……?」
「あれ、起きた?」
「起きるわよ、嫌でも」
軽く睨んでやるけれど、長瀬は全く動じた様子もなく、私の頭を撫で続けている。
「ちょっと……」
「ん? どーした?」
「頭……なんか、恥ずかしい」
この何だか甘ったるい空気は、正気を取り戻してきた私にとっては居心地が悪い。
妙にそわそわして落ち着かない気分なのに、すべてゆだねたくなるくらい気持ちいい感覚もあって。
自分でも説明がつかないけれど、とにかく恥ずかしい。
なのに長瀬はやめようとしなかった。
.
最初のコメントを投稿しよう!