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「やだよ…。…嫌だよ!!」
少年は目に涙を溜めて叫んでいる。
顔は痣だらけ、半袖のシャツから伸びる腕にも痣。どれも殴られたりしてできたようにも見える。
「だいじょーぶだって。なんかあったら俺が魔法で生き返らせてやるからさ」
「だってさ!だから早く行けって!」
痣だらけの少年とはまた別の少年が言う。
魔法…。そんなものが現実にあればどれだけよかったことか。
小学生とはいえ、ある程度は現実を知るはずだ。
「おら、きたぞ、いけっ!!」
少年の一人は叫び、そして怯える少年を蹴飛ばした。
蹴られた少年はそのまま道路へ突き出された。
車が衝突するまでの時間、若いながら走馬灯を感じた。
学校でのこと、クラスメイトのこと。、
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