未来に関するワークショップへの招待状

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 灼熱してしまった地球で、気候変動に対応できる種が生まれてくると思う。だが、今絶滅してしまった種は、もう進化することはできない。今は、多様性を確保することが大切だと思う。  人類はもっと謙虚になるべきだ。未来永劫、人類が地球を支配していくと考えることに何の根拠もないと思い知るべきだ。人類は、たかだが7万年前にアフリカを出てきた生物だ。永遠に地球を手に入れたと思いこんでいるが、生物として守るべきルールを破ったから、環境問題という問題を突きつけられることになる。環境問題とは、人類の退場を促す「蛍の光」だと思う。  地球上を我が物顔で闊歩していた生物は多い。将来、この地上で繁栄する生物も多くいる筈だ。地球を子孫のために残そうというが、子孫でない者たちが相続するかもしれない。それでも、種としてのプライドを持ってキレイに地球を使うべきだと思う。それこそが環境意識だろう。子孫でなくても、地球という乗り物を共有する同乗者に違いないのだから。そんなのは生物として当たり前のルールではないか。地下に核の廃棄物を埋めるのは絶対にダメだと思う。過去と現代と未来の種が同じような権利を持っており、自分たちは長い流転の一瞬、この地球上で繁栄しているにすぎない。  こうやって私の議論の前提を読むと、極めて特殊な前提から始めようとしていると思われるかもしれないが、客観的に見れば常識的なことばかりだ。現在、自分たちが正しいと思っていることが未来永劫正しいかどうかはわからないというより、おそらく間違っていると考えるべきだ。  人類は1万年前から文明を手にして地上の覇者になった。1万年を長いと思うのではなく、一瞬だと考えなければいけない。最初は、一億年のスパンで考える。普通に考えれば、おとぎ話だろう。SFと言えないほど過去と未来の話だ。だから、寓話として提示する。
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