未来に関するワークショップへの招待状

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 その翌日、「環境第一」だけでなく、「安全第一」とか「品質第一」とか標語が工場に一杯あるので混乱する。環境は何番目なのか教えてほしいと社長に聞きにいった。社長の回答は明快だった。安全と品質が同じぐらいで一番。三番目が納期で、四番目がコスト、環境は五番目だという。それから、イマノは環境事務局を嘘つきと呼び、「環境は第五だから後回し」といっている。  環境活動に反対しているわけではない。できることなら協力してやりたい。ただ、何かを犠牲にしなければ環境負荷を下げられないことが多い。環境事務局には、指示を出す前に品質や安全の事務局と調整した上で、指示してほしいと伝えている。いろいろな部署から矛盾することをいってきたら現場は混乱するだけだ。うちは、大企業じゃないんだから、無駄なことをしている暇はない。 矛盾しない環境活動は忠実に実施している。ゴミの分別については環境事務局の指示通り分別している。それは品質の要求でもあるし、コスト削減の要求でもあるからだ。 イマノ「なんで、私なんですか」 社長「一番余裕があるように見える。それに、一番環境に無関心に見えるから、あなたが環境担当になれば、みんなが動いてくれるような気がする」といった。社長は、課長とオペレーター全員をまとめ上げて定時帰宅させた指導力をほめ讃えた。 イマノ「私は、環境に対して協力的ですよ。自動車通勤から自転車通勤へ変更しました。この変更によって、会社の通勤費の負担は下がるし、環境負荷も下がる。健康にもいい。でも、環境事務局なんて嫌です」 社長「イマノさんは私が幼いころから倹約家だった。それが本物のエコだと思う。取ってつけたような環境活動はエコでもなんでもない。  でも、省エネのために加工速度を遅くするというアイデアを環境事務局が持っていったら、イマノさんに怒鳴られたといって泣いて戻ってきた。彼女は、イマノさんとはもう話したくない。会社を辞めたいといった。もう少し他人の提案を聞きましょうよ。だから、工作機械の省エネを進める事務局を、イマノさんにやってもらうことにしました。女性を泣かせた罰だと思ってください」
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