12人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
いつも座って由紀を待つベンチにちょこん、と座る。
座ったら、もう、メグは立てなくなってしまった。
『・・・・由紀さん・・・、由紀、さん・・・・』
グッと下唇を噛み締め、必死に涙を堪える。
それでも、零れ落ちてしまった涙をカバンで隠し、声を殺す。
いつか、きっと、由紀は戻ってきてくれると思っていた。
そして、自分達を助けてくれる、と・・・。
でも、もう、それは在り得ない、とメグは悟った。
そのことが、こんなにも悲しい。
もう、自分だけの、由紀じゃない、ということが、
心が千切れるほど辛い・・・。
最初のコメントを投稿しよう!