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「ウサギちゃん・・・唯ちゃんはどう言ったかしらねえけど、あいつ・・・司狼は心からウサギちゃんが大事だから。・・・あんなに自分の心を俺に言ったの初めてなんだよ」
「・・・はい」
京太さんはそう言ってくれていたけど、私はそれに返事することしか出来なかった。
・・・なにか喋ったら泣いてしまいそうだったから
オオカミに、会いたい
でも、会いたくない。
会って何を話せばいいの?
彼はきっと私に謝るだろう。
でも、悪いのは
私だ。
「俺のこと、信用しろよ」
いつかオオカミは私にそう言っていたのに、信用していない部分があったんだ。
それに気付いて
自分が嫌になる
マンションに着き、
「司狼にこれ、渡すの頼んでいい?」
手渡されたのはコンビニの袋。中にはスポーツドリンクが何本も入っていた。
「会いたくなければリビングに置いとくだけでいいからさ」
京太さんは彼から預かっていた家の鍵も私に手渡して帰っていった
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