高2の私と隣のオオカミ

11/13
前へ
/175ページ
次へ
「ニンジンとかケーキ買ってきてくれたん?」 「あぁ、兄貴のところでもらった。」 「じゃあ、あれは試作品?」 「3つは試作品、残りはお前にだって」 司狼さんには1つ上のおにいさんがいて、ケーキ屋さんをしている(らしい。会ったことはまだない) 時々司狼さんを呼び出しては試作品を食べてほしいと渡されるそうだ。 (前にもらったクッキーもお兄さんが現場まで持ってきたものだったらしい・・・) 「あ、陽菜子」 「あぁ、はいっ」 司狼さんのグラスにお茶を入れる。 何だろ・・・阿吽の呼吸っての? 「今日ね、私と司狼さんが【新婚さんみたい】って言われてん」 「ほぉ」 「今の感じもさぁ、新婚さんみたいやったよね?」 お皿のカレーをご飯粒ひとつ残さずにスプーンですくってもぐもぐしてる司狼さんが、片方の口角だけ持ち上げてニヤリと笑う 「じゃあ、新婚っぽく夜は過ごしてみる?」
/175ページ

最初のコメントを投稿しよう!

851人が本棚に入れています
本棚に追加