高2の私と隣のオオカミ

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「津田君、告白しないの?」 「…できないよ。俺…負けたし。あいつ…今長谷川と付き合ってる」 「「えぇっ!?」」 【あいつ】というのは良太センパイの妹の杏ちゃん(私はまだ会ったことがない。) 去年の夏、津田君は大会で以前からなにか因縁があった長谷川というセンパイと同じ種目にでることができて、そこで彼に負けた。 「…負けたら杏のことをあきらめるのが約束」 そう言って、泣きそうな顔をしていたのを覚えている。 「いつから!?私聞いてないわ!」 「…ちょっと前から?…俺も急に言われて…なんで今になってなんだろ…悔しいから…やっちまった」 はい!? なにを?? 「…津田君?」 「杏に…キスしちまった…。もう顔見れないやぁ!なんであんなことしちゃったんだろう」 真っ赤な顔でしゃがみ込んだ津田君は頭を抱えて「俺はばかだぁ」って何度も叫ぶ。 「いいじゃない!キスくらい。杏のファーストキスを奪えたってことでしょ?」 「逸花ちゃ…!なにその大胆発言」 「だってそうじゃないの?杏にはいい薬よ。あの子は恋に恋してるんだもん。少女マンガみたいなものが本当の恋だと思ってる…」
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