高2の私と隣のオオカミ

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放課後、少しだけ図書室で3人でテスト勉強をしてたけれど、私だけ先に学校を出た。 「・・・材料うちに多分あったよね」 最寄り駅の側のスーパーでサラダの材料とお菓子を買って家に到着。 私服に着替えて、部屋着や勉強道具をカバンに押し込んだ。 そしてスーパーの袋に家にあったお肉や野菜を入れて隣のオオカミの家に移動。 カチャリ・・・ 「おじゃましまぁす」 返事のない部屋にいつも声をかけてから入る。 相変わらず殺風景。 でも、少しだけ賑やかになっているのは私の為に買ってくれたクッションやスリッパ。 「絶対ヤダ」 って言ってたのに買ってくれたお揃いの食器。 「・・・起きたのギリギリやったんや」 珍しく脱ぎ散らかされた部屋着を洗面所に運びながらおかしくてケラケラ笑った。 慌てて起きたのに必ず毎朝私の部屋にくるんだもん。 「変なの」 忙しくて疲れてるならうちに来るのやめて寝たらいいのに。 そんな不器用な愛情表現なオオカミの態度がいつまでもくすぐったい。
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