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「こらこら、お父さん。娘たちが男の子の話をしたからってそんな反応しないの。」
テーブルに物を運んできたお母さんが笑う。
「べ、べつにそんなつもりじゃないぞ。ただ、ただな。まぁ、いい。」
そう言ってお酒を一気に飲み干したお父さんにお母さんはクスクスと笑って席に着いた。
いただきます!と言って夕餉が始まる。
ご飯は手をつないだまま食べられないから、足を絡めさせては食べる。
別に、素肌さえ触れあってればお互いの視界と聴力は共有できる。
けど、左手しか使えないのはなかなかめんどくさい。
お母さんは気を利かせてスプーンを置いてくれたけど。
悪戦苦闘しながらご飯を食べてると、お母さんが嬉しそうに手をポンとたたいた。
「そうだ、その、中江ブラザーズ?君たち?家につれてきなさいよ。お礼もしたいし、そんなにそっくりなら見てみたいわ」
お父さんはお母さんの言葉に隣で何かをのどに詰まらせてむせてたけど、私たちは一瞬考えると笑顔で頷いた。
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