第2話

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「おはよう。」 近くから聞こえたハスキーボイスに返事する。 「おはよう。昨日はありがとう。」 「気にすんなって。そういや、双子の美桜ちゃんだっけ?置いてったそれってあれだろう?」 「白杖のこと?多分察しの通りだよ。」 「じゃ、目がやっぱり見えないんだ。」 「まぁ、うん。白杖よりも美桜がいた方が安心なんだけど、やっぱりクラスが違うとどうしても一緒にいられないしね。」 「そうだな。あ、そうだ。俺が代わりに手を貸そうか?」 「いいよ。それなら白杖のが安心。」 「ひっでぇ。」 あはは、と笑う私達に、クラスがシーンと成っていることに気付く。 そして、こそこそ話。 何て言うか、全部聞こえてるから。 目が見えないときは耳が研ぎ澄まされるし。 まぁ、私が目が見えないって話みたいだけど。 あとは、私と中江俊哉の関係について? そういえば、昨日見た彼はなかなか整った顔立ちしてた。 まだ学校が始まって2日目だけど、彼に目をつけている女子は結構居るのかもしれない。
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