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「烏江友海(カラスエユミ)、妹は美桜(ミユ)よ。私達はあなたの言うように名前も似てるけど。」
彼は「ホントだな。」と笑った。
目が見えるわけでもないのに何となく彼が微笑んでるように感じられた。
そのくらい彼の言葉には感情が沢山含まれている。
見えないのに伝わる事ってあるんだなと素直に感心した。
「なぁ…。」
不意に彼の不安そうな声が聞こえ、そこで止まった。
「何?」
「やっぱり何でもない。まぁ、よろしくな。」
そう言うと何処かに去っていった。
変なやつ。
勝手に話しかけて、勝手にペラペラ話して、勝手に去っていった。
自由なやつだな。
彼が言いかけてとめた何かが気になったけど、これだけ混雑した教室の中を一人で歩く勇気はなかった。
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