第2話

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家に帰ると、お母さんが心配そうに待っていた。 ギブスの巻かれた私の右腕を見て息を呑むのが聞こえる。 驚いた顔をするもののすぐに笑顔になった。 「やっぱり折れてたのね。まぁ、取り敢えず着替えてリビングにいらっしゃい。お父さんももうすぐ店を閉めて来るし、ご飯ももうすぐ出来るわ。」 そう言って台所に戻っていった。 我が母親ながらなんと言い表したらいいのだろう? 別に私達に無関心な訳でも、頓着しないわけでもないけど、なにがあってもあまり動じない。 けれど何かあればいつも私達のよき理解者になってくれ、手をさしのべてくれるし、責任もとってくれる。 いい意味本当に放任してくれている。 お父さんも同じである。 もし自分の子供が障害を持って生まれたら、お母さん達みたいに子供に接することができる人はそうはいないと思う。 着替えてリビングに降りていくと、お父さんも帰っていた。 因みに着替えは美海に手伝ってもらった。
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