いつもの世界

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とはいえ、自殺するのには抵抗があったので、とりあえず進むことにした。 「じゃ、扉開けるぞー」 鉄製の薄い扉を開ける。 「チッ!暗いな ライトをつける」 89式のライトをつけ、銃を構えながら進んだ。 「真っ暗だ。どっかに電源があるはずだが...」 さっきの部屋までは電気がついていたのだ、通電していないということはないだろう。 「あー、これか?」 大地がなにかを押した。 すると、天井の蛍光灯が一斉に点灯した。 「うわ!なにここ!」 「駅...?」 辺りを見回す。 どうやら、どこかのホームのようだ。 「おい、これ!」 友也が言う。 そちらを見ると、薄れた字でこう書いてあった。 新宿駅 都営大江戸線 「新...宿?ここ新宿か」 とはいえ、俺達は東京住みではない。 新宿駅かどうかなんてわかるわけがなかった。 トンネルからは、風の音だろうか?低い唸り声のような音が聞こえた。 深い闇を見ていると、なんとなく不安になった。 「ここは地下鉄らしいな。とりあえず地表に出ようぜ」 とりあえず上へ続く階段を登り、地表に出ることにした。 駅はそこらじゅう埃だらけで、人は長年立ち入っていない、という感じだった。 階段の一番上は、なぜか鉄の大きな扉で閉ざされていた。 「大地、これ、開けられるか?」 大地はこういう分野が得意だ。 「あー、んー、壁にジャックがあるな。電脳に対応しているらしい。ちょっと弄ってみるから待っててくれ。」 大地がシステムを弄る。 大地が虚空に指をおく。 まるでそこにキーボードがあるかのようになにかを入力していた。 きっとシステム内を検索でもしているんだろう。 「あー、よし。プロテクトとかは特に無さそうだ。開けられるぞ。」 「ん..ちょっとまて。気になることを見つけた。」 「なんだ?どうした?」 「説明しにくい。電脳をリンクするぞ」 その言葉で、俺達は電脳の通信モードを切り替えた。 電脳は、オフライン状態でも近距離ならばリンクが可能だ。 仮想空間がイメージされる。 「よし、こいつを見てくれ」 大地の電脳から、情報が送られてきた。 それをみて、俺は驚愕した。
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