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ドアを開けたら母が…、って母ではなく全身黒いスーツで身を包んだ男が二人立っていた。
「えっ」
俺は思わず後退りする。
男たちは部屋に入ってきた。そして辺りを見渡す。
本棚に入ってる大量のマンガ。散らかるアニメDVD。エロゲーの数々。ってそこまで見るな!
「ちょっと、なんだよ、あんたら!」
「高杉良男君。25才だな?」
「そうだけど…」
一人の男が紙を俺の前に差し出す。
「今日の朝、政府からキモオタ召集令が発布された。君は今日から、ある施設で働いてもらう」
「はあ!?」
朝からテレビも新聞も見ずにゲームしてたから、そんなふざけた召集令なんて聞いたことない。開いた口が塞がらない。
いや、確かに俺はオタクだけどキモくはないぞ。風呂にも毎日入ってるし友達は居ないけどネット内には…。
男が言う。
「君は今から、速やかに政府が用意した施設に行ってもらう。最後に両親や友達に伝えることはあるか?」
さ、最後?俺はどうなる?強制労働?
「働いたら負けだと思ってる…」
紙を持っていない、もう一人の男がピストルの銃口を向けた。って、ここは日本なんですけど。
「痛っ!?」
右肩に刺さったダーツの矢みたいなのを見つめた。途端に足がガクガクとして意識がもうろうとする。
拳銃を持っていた男は携帯を取り出した。
「はいキモオタ一名確保しました。これからそちらに向かいます」
「お、俺はキモオタじゃ…、じゃなはい」
眠い、眠すぎる。麻酔銃だったのか?意識が…、やばい…。
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