プロローグ

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        月面探査基地 突如激しく警報が基地内に鳴り響く レーダーや偵察部隊へ連絡を取り何事があったのか情報を得ようとする そして耳に飛び込んできたのはあり得ない情報だった 「未確認“機械生命体”によって偵察部隊全員が殺された」 耳を疑った 偵察部隊には友人がいる バカな話をして良く笑って楽しく過ごしていた奴が居た そいつが死んだ? 俺は頭が回らず緊急事態様に用意されていた武器を片手に月面へと飛び出す 息が荒れる 肩で息をする メットに表示される酸素の貯蔵料を確認しながら進む 司令室から戻るように指示が来るから通信を切った 暫く進み偵察隊の消息が途絶えた場所まで行く 俺は目を疑った 暫くその光景を眺め続けていた 体から力だ抜けただただ目の前の光景を見つめる グチャグチャ バキボキメキ ブチブチ 機械の腕が人間だった体の一部を持っていた 少しだけ重力があるので月面は赤く染まっていた そして体の一部を玩具のように引っ張ったり潰したり口に入れたりしているのだ 「ガガピピ」 機械の頭が俺に気づいた 機械の手が持っていた頭が此方に飛んでくる 俺は咄嗟に受け止めた そして直ぐに何処かへ投げ飛ばす 友人の頭だった 俺は銃を構え機械生命体の方へ向く 「ガビビビピー」 機械音がそう聞こえると俺は背が縮んだように視野が低くなった そして横を向く 誰かの下半身だけが立っていた 後になり腹部に痛みが走る 俺は死ぬ前に司令室に通信をつなげ直し俺が見た映像記録を送る その直後機械の手が俺のメットを掴み宙に上げられ軽々メットは割られた 酸素が吸えず苦しみながら俺は機械生命体を見る 機械で作られた口元が笑っているのが最後の光景だった
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