序章『古代遺跡の謎』

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 トラックに乗り込むと思わぬイベントが発生してしまった。そのせいで俺の鼓動は急激に高まり、さっきから大変な興奮状態である。  何かというと、トラックは後部座席のないタイプで、運転手のミレアさんの横に俺と亜美教授が並んですわれるようになっている。  普通なら教授が先に乗って俺は窓際になるはずなんだが、教授は窓際が好きだとかで後から乗り込んだ。  つまり魅力的な女性に挟まれた状態で、俺は真ん中にすわった訳だ。  両手に花とはこのような事をいうのだろうか。いや、少し意味が違う気もするが今はどうでもいい。  さっきからお二人の甘い薫りがコラボレーションし、鼻孔を通り肺を埋め尽くすと同時に、脳内で――連続的な革命を引き起こしている。  更に汽車の中で教授とはお隣りになっていたのだが、密閉した車の中では、俺の腕や太腿に触れるか触れないかの至近距離を演出していたのだ。  嬉し過ぎて鼻の下が床に着きそうだ。  しかし、このままでは本能が目覚め、危険な存在に至ってしまいそうで自分が恐い。  事実、車に乗ってから何度か気絶しそうになっている。免疫がないと、こんな時に困るのだなと痛感したよ。  まあ、これも土産話で同志達に報告をしよう。  それと、ミレアさんの写真は帰るまでに必ずゲットしなければな。空想だと思われたら大変だし、同志達のために教授の素敵写真も一緒にゲットしてみせるぜ。  待ってろよ、同志諸君!  決意を新たにしたところで、教授とミレアさんが会話を始める。 「ミレア、ダディの調査は何処まで進んでいるの?」 「それがね……。」  教授の言葉で、運転をしていたミレアさんは悩んだような表情を見せた。  余りの興奮で忘れそうになっていたが、今回の偉大な目的は何といっても、未発見の文明かも知れないという遺跡調査である。  ロマンをくすぐる進展内容は、俺も大いに興味があるのだ。
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