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「実は、森で発見した遺跡は地下に延びる神殿のような造りで、地上に埋め込まれた大きな扉から内部に入れる仕組みになっていたの。」
「うん、その辺りはダディから聞いてるけど、何か中で見つかったの?」
「ええ、内部は石で造られていて、儀式を行うような広い空間や幾つもの小部屋も確認されたわ。そして、その小部屋の一室で本を大量に発見したの……。」
「本があったの!?」
教授は身を乗り出して驚いている。
俺も驚きミレアさんに視線を送るが――別件でも驚愕した。
教授の両手が俺の太腿に――。加えて鼻先に教授の美しい髪が……。シャンプーの薫りだろうか。甘い匂いが強烈だ。意識が遠退きそうになる。
しかぁーしっ!! ここはぐっと堪えて話に意識を集中した。
ぎりぎりであったが何とか持ちこたえる事に成功! ミレアさんに顔を向けたのである。
「えっ!! 天草くん!? 確かに本は文化を知る上で大変な発見だけど、天草くんがそんな危機迫る顔をしなくても……。」
ミレアさんは、運転しながら横目で俺の顔を見た瞬間、びっくりしていた。
どうやら必死に堪えた形相が凄い事になっていたらしい。
そのまま教授も至近距離で俺の顔を見ると爆笑をしていた。
爆笑したお顔も素敵です、教授……。
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