第9話

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「まさか、放課後まで待ち切れなかった?」 ブラインドの隙間から洩れる光。 光を縫うようにたどるノアの指先。 何とも言えない艶めかしい雰囲気を醸し出す。 「違うよ、二階堂類君の事――」 「ああ」 投げやりに言って ノアは肩をすくめた。 「嘘でもそうだと言って下さらなくちゃ」 「おいっ……」 「――類の話だなんて興醒めだ」 強引に僕の腕を取り 「痛い?」 先日自分が蹴り上げた怪我を確かめる様に 柔らかく僕の前髪をかきあげる。
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