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「まさか、放課後まで待ち切れなかった?」
ブラインドの隙間から洩れる光。
光を縫うようにたどるノアの指先。
何とも言えない艶めかしい雰囲気を醸し出す。
「違うよ、二階堂類君の事――」
「ああ」
投げやりに言って
ノアは肩をすくめた。
「嘘でもそうだと言って下さらなくちゃ」
「おいっ……」
「――類の話だなんて興醒めだ」
強引に僕の腕を取り
「痛い?」
先日自分が蹴り上げた怪我を確かめる様に
柔らかく僕の前髪をかきあげる。
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