第9話

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からかうような視線。 挑発的に僕を見上げながら 「放課後屋敷へ行って、マリアに会ってくるといいよ」 「――え?」 ノアは机に本を並べると 僕の頬にそっと触れた。 「ただし、マリアを好きになっちゃダメだよ?」 それはあらたな誘惑――。 「ふざけるなよ……」 冷たい指先。 「だって彼女、ずっとベッドにいるしね。僕と同じ顔して、それこそもっと魔性だから――」 氷のような指先は 柔らかく僕の唇をなぞる。
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