第9話

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「で、大事な昼休み――僕なんかに費やしていいの?」 困惑する僕に 「困っている人を見ると放っておけないたちなんです」  類は笑顔で体育館脇のベンチを指さした。 「――とりわけノアの事でね」 黄色く色づいた銀杏の木の下。 僕らはベンチに並んで座った。 「みんなきっと、悪気はないんです」 草食動物のような愛らしい頬を膨らませ 類は僕を慰める様に言った。 「ノアが好きになった相手に嫉妬してるだけで」
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