第9話

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「ノアはなんて言うか、磁石ですよ」 「磁石?」 「そう。自分の意志とは関係なく、誰をも引き付けて――進む道も方角もそれこそすべて狂わせてしまう」 「磁石ね」 痛いほど分かる気がした。 「――強力なS極だ」 僕が笑うと 「言えてる」 類も声をあげて笑った。 「彼はいつからあんな風?」 「あんな風って?」 「なんて言うか」
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