第1話

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翌日、齋藤は用事があるからといって練習をサボった。 どうせ女遊びだろうがな。 俺は一人で屋上に向かった。 扉を開けると、先客がいた。 誰だ? 顔を見ると、根暗でオタクのやつだった。 残念ながら名前はおぼえていない。 確か同じクラスだったと思うけど…。 俺は気にせずにいつもの段差で作曲を進めていく。 キリのいいところで一度弾いてみる。 ♪~♪~♪ うーん…。 まあまあだな。 何処かがおかしいと一人で悩んでいると、根暗でオタクのやつが近づいてきた。 「いい曲だね。聞いてて心地いいよ」 「え?」 根暗オタクは眼鏡を外しながら近づいてきた。 眼鏡外すと雰囲気が違う。 顔も全然根暗じゃねーじゃん。 しかも音楽わかるのか? 「ねえ、もう一回弾いてみてよ」 「え、あ、うん」 俺は渋々ギターを構えて、最初から弾き始めた。 ♪~♪~♪
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