第1話

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俺は幻聴を聞いているのか…? 俺の弾くギターにあわせて、歌が聞こえる。 それも、透き通る、誰もが振り返ってしまうような歌声。 俺はこの空間が心地良すぎて、夢中でギターを弾いていく。 こんな感覚、味わったことねぇ。 気持ちいい…。 さっきまでの寒さがなくなり、暖かさが身体中を包み込む。 俺は自然に微笑んでいた。 弾き終えると、また寒い現実に戻された。 「お前、今のって…」 俺はほぼ放心状態で聞く。 「僕、君の音楽好きだな」 俺に微笑みかけてくる。 こいつなら、ボーカルが勤まる! 絶対に! 「なあ、お前、俺とバンド組んでボーカルやらねぇ?」 「君の音楽に僕が作詞していいなら、やるよ」 「マジで!?お、俺、作曲頑張るよ!!お前の声、綺麗だし、弱くないし…。なにも演奏出来なくても全然大丈夫だから!」 「わかった。君とならやっていけそうだよ」 やった! これならほんとに音楽ができる!
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