2人が本棚に入れています
本棚に追加
屋上の扉を開くと、いつもと同じ冷たい風が吹き抜ける。
「さむっ!!」
齋藤が俺の腕を抱き締める。
女子かよ。
「おい、歩きにくい。くっつくな」
「だって寒いんだもん」
齋藤は腕に抱きつき、くっつきながらずるずると歩く。
お、重い…。
歩きにくい…。
なんとかいつもの段差にたどり着くと、今度は抱き締めてくる。
「おい。離れろ」
「いやだ、寒いもん」
そういってより抱き締めてくる齋藤。
こうなったら、仕方無い。
「わかった。ギター弾かない」
「ダメッ!!」
勢いよく離れる齋藤。
「じゃあ大人しく座ってろ」
「わかった…」
これでギターが弾けるんだけど…。
いざとなると恥ずかしいな…。
「もじもじしてないで、早く弾いてよ」
俺は深く深呼吸してから、ギターを構えた。
最初のコメントを投稿しよう!