第一章 巡り逢い

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雪「オンアビラウンキャンシャラクタン!」 呼吸を整え、両手で印を結んだ。 対峙していた大髑髏がぴたりと動きを止めた。 あたしは首にかけていた数珠をはずし、両手に巻きつけた。 雪「ナウマクサンマンダバザラダン、センダマカロシャダソワタヤウン、タラタカンマン!」 痛いほどの妖気が大髑髏からほとばしる。それは刺すように鋭く、あたしに向かってくる。 が、あたしの手にある数珠が大きく揺れ、その波動を跳ね返す。 あたしはポケットから一枚の符を抜き取った。 雪「謹請し奉る、降臨諸神諸真人、     縛鬼伏邪、百鬼消徐、急々如律令!」 言上もろとも放たれた符は、大髑髏のちょうど額に当たると、まばゆい閃光を放った。 止めに退魔の刀を突き立てる。 大髑髏は黒い煙に変わり、四散していった。 雪「・・・終わった」 長く美しい黒髪と気高い強さを纏った少女。 名を――――      ――――白羽 雪乃――― それは、かつて新選組に仕えていたという闇狩(ハンター)と同じ氏。 少女は、新選組に仕えていたという当時の闇狩(ハンター)の 生まれ変わり。
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