第2話 始動

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痺れをきらせた雪は、怒りながら、僕を見上げてきた。 「何故、蟹を斬らなかった?」 そういうこと…か 僕は、刀をずっと握っていない。 高校生、最後の冬休みに… 怪異を… 怪物を… 神様を切ってから、刀を握らなくなった。 それは、罪ゆえにじゃない。 ただ、僕は… 神様を殺し、殺し尽くし、消し尽くした…この刀を握れなくなった。 「蟹を退治できたんだから、いいだろ?」 雪は、もういいと言うと、クロに乗って、夜の暗闇に消えていった。
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