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痺れをきらせた雪は、怒りながら、僕を見上げてきた。
「何故、蟹を斬らなかった?」
そういうこと…か
僕は、刀をずっと握っていない。
高校生、最後の冬休みに…
怪異を…
怪物を…
神様を切ってから、刀を握らなくなった。
それは、罪ゆえにじゃない。
ただ、僕は…
神様を殺し、殺し尽くし、消し尽くした…この刀を握れなくなった。
「蟹を退治できたんだから、いいだろ?」
雪は、もういいと言うと、クロに乗って、夜の暗闇に消えていった。
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