第2話 始動

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今、僕は… 僕が通っていた高校のグランドに立っていた。 「のう、主様よ?今回の仕事は、何をするのじゃ?」 めぐみは、首をかしげながら、目の前にいる、大きな蟹を見ていた。 「今回の仕事は、この蟹退治だよ。多分この蟹が、最近学校で起きている多発事件の犯人だ」 そう、最近この学校でおかしなことが起きている。 急に窓ガラスが割れたり、階段が崩れたり、といろいろ起きているらしいから、こうして僕が“仕事“としてここに来たわけだ。 「めぐみ?どう思う?この蟹が犯人か?」 めぐみは答える。 当たり前のように、 そして、見透かしたように 「あ奴が犯人で間違いないの。あ奴は確か…嫌ガニだったかの?」 「嫌ガニ?」 「嫌ガニじゃ。嫌という字は鎌と言う字に似ておるじゃろ?元は、鎌ガニ…鎌のように鋭いハサミを持ったカニの神様じゃったが、信仰が無くなったため堕ちたんじゃろうな。いつしか、鎌ガニから、嫌ガニと言うようになったかの」 「元は、神様か…なら、上位クラスでいいのか?それとも、神クラスか?」 「いや、ただの低級じゃろ。所詮は、お前様の足元にも及ばないただの低級じゃ」 でも… 元は、人々に信仰されていた神様… 人々が信仰を忘れたせいで堕ちてしまった神様… でも、だからと言って… 「神様が、人を傷つけてどうすんだよ!」 僕が叫ぶのと同時で、嫌ガニのハサミが僕の胴体に襲いかかってきた。 吹き飛んだ。 カニの行きよい良く、素早く閉まるハサミで吹き飛んだ。 僕の胴体ではなく カニのハサミが…
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