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今、僕は…
僕が通っていた高校のグランドに立っていた。
「のう、主様よ?今回の仕事は、何をするのじゃ?」
めぐみは、首をかしげながら、目の前にいる、大きな蟹を見ていた。
「今回の仕事は、この蟹退治だよ。多分この蟹が、最近学校で起きている多発事件の犯人だ」
そう、最近この学校でおかしなことが起きている。
急に窓ガラスが割れたり、階段が崩れたり、といろいろ起きているらしいから、こうして僕が“仕事“としてここに来たわけだ。
「めぐみ?どう思う?この蟹が犯人か?」
めぐみは答える。
当たり前のように、
そして、見透かしたように
「あ奴が犯人で間違いないの。あ奴は確か…嫌ガニだったかの?」
「嫌ガニ?」
「嫌ガニじゃ。嫌という字は鎌と言う字に似ておるじゃろ?元は、鎌ガニ…鎌のように鋭いハサミを持ったカニの神様じゃったが、信仰が無くなったため堕ちたんじゃろうな。いつしか、鎌ガニから、嫌ガニと言うようになったかの」
「元は、神様か…なら、上位クラスでいいのか?それとも、神クラスか?」
「いや、ただの低級じゃろ。所詮は、お前様の足元にも及ばないただの低級じゃ」
でも…
元は、人々に信仰されていた神様…
人々が信仰を忘れたせいで堕ちてしまった神様…
でも、だからと言って…
「神様が、人を傷つけてどうすんだよ!」
僕が叫ぶのと同時で、嫌ガニのハサミが僕の胴体に襲いかかってきた。
吹き飛んだ。
カニの行きよい良く、素早く閉まるハサミで吹き飛んだ。
僕の胴体ではなく
カニのハサミが…
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