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草薙の劔…
僕が持っている刀の名前だ。
蟹のハサミですら、よく切れるらしいハサミですら、切ることのできない、逆に切り飛ばされるくらいよく切れる刀。
草薙の劔。
ヤマタノオロチの尾から作り出された名刀だ。
その刀は、僕の背中に背負われている。
「よく切れるハサミでも、よく切れる刀には、勝てないみたいだな」
当たり前じゃろ?とめぐみは呆れながら、蟹を見ていた。
僕の仕事は、蟹退治だけど…
ここまでだ。
ハサミを切り飛ばす事が、今回の仕事だ。
「後は任せるぞ、雪!」
その言葉を合図に、空高くから黒い狐が蟹を抑え込むためにふってきた。
「ご苦労さま、後は私に任せて。準備は整った」
雪…神倉雪
陰陽師の家系にして、僕のパートナーだ。
雪の式神にして九本の尾を持つ黒い狐…それが今、蟹を抑えているクロだ。
このコンビは、陰陽師最強だと思う。
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