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互いを貪り啜り合いながら
あの人の黒髪に揺れる珠玉は
月夜に舞う蛍のごとく
情事に乱れ飛ぶ。
あの簪は
書生である私に贈れる
彼女への精一杯の愛であった。
これは貴方
何時も此処に居るように
私を
奪っておくれ
遊女であるあの人を
一介の書生如き私が水揚げするには
相応の金が必要となるのは明白である。
あの人の髪に艶めく珠玉が
目眩と共に
私を
駆り立てた。
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