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二階の自室から降りてリビングに向かう。
リビングに置かれている机には4人分の食事が用意され、そこには3人の女どもが座っている。
まずは一人目、わが屋の当主こと朝倉 小虎(ことら)愛称はタイガー、我が母だ。
二人目、先ほど俺を脅かしてほくそ笑んでいた妹1朝倉 猫(ねこ)愛称はニャンコ。
三人目は我が心の癒しどころ妹2朝倉 児熊(こぐま)愛称はぷーさん。某キャラクターの様に黄色くないし、ハチミツだぁ~いすき?なんてこともない。
そしてここにはいないが父も紹介しておこう。
なぜ父がこの場にいないかというとだな、大勢の命を載せて運ぶ空のTAXIことパイロットで今もどこかの空を飛んでいるのだろう。
ちなみに名前は朝倉 源五郎(げんごろう)愛称ゲンちゃん。なんともごつい名前だ。
「おお!今日は冷やしソーメンか! いただきます!」
「こらワンコ! 手は洗ったのか! 」
「ヘイヘイ…」
俺はしぶしぶキッチンにおいてある石鹸で手を洗って再び席に着く。
「ていうかおい!自分の息子を名前で呼ばないとはどういった了見ですかタイガーさん!? 」
「おい! 母親に向かってタイガー様なんて呼ぶんじゃねぇ!」
「いや様はつけてないし」
「お前のつゆには毒をしこんだ」
「なにぃ!? 殺す気かタイガー! 」
「おう、死ね。 あらーぷーちゃんこぼしてるわよー」
妹との扱いの差、これが現実か……
俺はめんつゆに面をぶち込んで食した。
「ぐはぁ!! 馬鹿な…! まさか本当に毒を仕込むなんて…! 」
花を襲うなんとも言えないツーンとした感覚、そしてあふれ出る涙…。間違いない、毒だ。
「だははははは! だからちゃんと言ったろ! 」
「お母さんもお兄ちゃんも静かに! 下品ですよ! 」
我が家の風紀委員こと動き出したのは妹1の猫ことにゃんこだった。
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