25話目

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去年(平成十二年)の11月の事です。 その日、私と友人の二人で札幌に遊びに行ってました。 その帰り道に起こったことなんですが、時間は深夜の1時頃だったでしょうか・・・・。 怖い話が好きな私は、助手席に座っている霊感の強い友人と怖い話をしながら峠を上ってました。 もう少しで頂上という所で濃い霧がかかって、視界がとても悪くなりました。 『嫌な雰囲気だな』と思いながらスピードを落として怖い話をしながら車を走らせました。 突然それまで話をしていた友人が喋らなくなりました。 私が『どうした?』と聞くと、友人は『なんでもない、それよりスピードを落として安全運転してくれ』とそれしか言いません。 以前の経験から友人の様子がおかしいときは、絶対になにか良くない事が起きていると分かっていましたので、とりあえず安全運転に徹しました。 相変わらず霧が濃く、対向車も後続車も前方にも車がなく、とても嫌な雰囲気です。 周りには特に変わった様子がない事を確認した私は、おそるおそるバックミラーを見ました。 異常無し、次にドアミラー、異常無し。 『なんで友人はずっと黙っているんだろう?』不思議に思って、私はもう一度声を掛けてみることにしました。 「なぁ。どうしたんだ?」と言い終わらないうちにダッシュ・ボードのあたりから『カラカラカラカラカラカラ』と軽い金属が擦れるような音が・・・・。 「何!?今の音!?」と私が言うと「ホラ!お前が気にするからだぞ!!!」と友人が大声で叫んでました。 その後すぐに霧が晴れて峠を無事に下り家に帰る事ができました。 そして別れ際に友人が「家に帰ったら電話くれ」と言ってのを思い出し早速、友人に電話してみる事にしました。 すると、「俺途中から喋らなかっただろ?なんでだと思う?実はね後部座席から伸びてきた手に両肩を掴まれてたんだよね・・・。」
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