27話目

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私が小学5年生だった頃の話を書きたいと思います。 タイトルにあるとおり、私は公衆電話が苦手なのですが・・・ そのワケ、苦手になってしまった理由になった話です・・・。 この頃、学校でとても〝こっくりさん〟が流行っていました。 誰も彼もが毎日毎日やっただのやりたいだの・・・。 その頃私は興味本位程度で怖い話が好きで、特に仲の良かったS君に誘われ、その子の家で〝こっくりさん〟をやろうというコトになったのです。 メンバーは私とS君、そしてもう一人仲の良かったN君の3人でした。 A4サイズの真っ白な紙に占版を書き写し、茶の間机を3人で囲み、私達は鳥居のマークの上に置いた十円玉の上に指を置き、こっくりさんを呼び出しました。 やるまで半信半疑であったにも関わらず、いざ呼び出したら一度で成功し、確かにこっくりさんは現れました。 それでも信じられずに誰かが動かしているのだろうと思っていて、私はただただその〝遊び〟を楽しんでいたのです。 私達のクラスで流行っていたモノには時間ルールがあり、ある特定の時間以上はやってはいけないというコトだったので、私達はもう十分だと思い始めてすぐ、こっくりさんにお帰り願おうと思い、そう、こっくりさんに言ったのです。 が・・・・・・何故か、こっくりさんはハイと言ってくれません。 私達は3人揃って驚きました。 ですが誰かが動かしていると思っているせいで、事態の深刻さがわかっていませんでした。 2人のどちらかが驚かそうとしているのだろう・・・ それぐらいにしか考えていなかったのです。 そしてもう一度、もう一度、もう一度・・・・・・ 何度もお帰り願ったのですが、その度に十円玉はイイエを指しました。 やがて私はおかしいと思い始めました。 悪戯にしては、2人の様子が緊迫しすぎている、焦っている・・・ そう思いながら制限時間が迫って来た頃、十円玉はようやくハイを指しました。 私は心からホッとしました。 やっとそれがただの〝遊び〟では無いということに気付いたのです。
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