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視察まであと数日。
「よぉーっし! もう一回だ!」
「おぉーーーっ!!!」
すごい声……。晋作、頑張ってるな~。
最近は稽古にも熱が入っているのか、道場からは大きな声が響いてくる。
それを聞くと、私自身も頑張ろうと思えた。
蒸し暑い中、みんな頑張っているのだから、私だって音を上げるわけにはいかない。
お茶とか用意しようかな。ん? なんだろあれ。人が倒れてる……?
廊下を歩いていると、誰かがうつ伏せで倒れているのが目に入った。
「えっ!? 香奈さん……? 大丈夫ですか!?」
返事はない。
上を向かせておでこを触ると熱くて、顔も赤くなっている。
「玄瑞のとこ連れて行かなきゃ! うっ……人って重いんだ」
どうしよう。私の力じゃ運べない……。
道場からは未だに大きな声が聞こえてくる。
みんな稽古中だから、叫んでも聞こえないだろう。
かといって、香奈さんをここに置いていくわけにもいかない。
「誰かいないの? やっぱり香奈さんを置いて呼びにいくしか……」
「どうかしましたか?」
あっ、男の人の声だ! 良かったぁ……!
パッと顔を上げると、そこには宮城さんがいた。
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