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"そういえば"と言って話し出す玄瑞。
その話の内容は、全く想像していなかったことで驚かされた。
だけど栄太郎はうんと頷いて納得しているように見える。
「そう。隊士達の間で湊は美人だと話されている。湊には恋仲とかがいるわけでもないから、君を狙っている男達がいるんだ」
「私なんかを? そんな話全く聞いたことないけど……。でもそれが何か関係あるの?」
「本当に馬鹿だね。君を狙っているってどういう意味かわからないの?」
「えっと、恋仲になりたいとか?」
「普通の男ならね。だけど行き過ぎた考えを持つ奴もいる。特にここは男所帯で、共に住んでいる女は湊、君だけだ」
栄太郎の言おうとしてることがイマイチわからない。
恋仲になりたいと思うことが、私にとって何か悪いことでもあるのだろうか。
そんなことを考えていると、急に晋作がガシッと肩を掴んでくる。
「……湊、お前気を付けろよ」
「何を?」
「簡単に言うと、お前は隊士に身体を狙われている。考えてみれば、ここに住んでいる奴で玄瑞みたいに所帯を持っている奴は少ねぇ。女に飢えてる奴が多いってことだ」
晋作の言葉に顔から血の気が引いていった。
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